もうずっと昔のことですが、大分の津久見というところで永六輔さんと中村八大さんのコンサート(トークショー)があり、私は舞台のスタッフとして参加しました。
開演少し前にスタッフを呼んで打ち合わせ。
通常打ち合わせはマネージャーとスタッフで行われ、タレント本人がとするのは極めて異例です。
1ベルの後、緞帳前で前説をやりますのでマイクは生かしっぱなしにしてください。
途中で歌いますが、うまくないので、そのらへん音響効果でよろしく。
と言うぐらいの笑いを交えた打ち合わせでした。
さて、1ベルを私が鳴らし、 お客さんもまだガヤガヤしているところへいきなり永さんが出て行ったものですから皆さん何が始まったかとポカンとしています。それからまぁ喋ること喋ること。まだコンサートも始まっていないのに、お客さんは永さんのペースに巻き込まれて行きました。
それからどのタイミングで緞帳を上げたのか覚えていません。終始笑いに包まれて楽しいトークが進み、中村八大さんのピアノで歌を数曲披露。津久見のホールは当時物凄く古い音響設備で、リバーブだのエコーだのなんにもなかったのですが、元々クラシック向きに作られていたので、自然のリバーブが深めにかかり、とっても調子良く歌っていました。
終演後に、マイクの音がとても良かったので自分でも歌がうまいと思ってしまいましたよ。とスタッフに労いと笑いを忘れません。
さて、それから数日経って、一枚のハガキが事務所に届きました。
先日はお世話になりました。何々さん、何々さん、、、、とスタッフの名前まで入って、直筆の挨拶状が届いたのです。ビックリしました。タレントの方から挨拶状が届いたのは後にも先にもこれ1度きりです。
心の温かいひとだったなと。
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