2014年8月24日日曜日

舞台はなまもの2

ある民謡の九州ツアーでのこと。

朝、小屋に着くとトラックを搬入口に付け、機材の搬入から一日が始まります。
搬入が終わると、照明、音響の二手に分かれて仕込み開始。私は音響の手伝いです。まずはスピーカーの位置、ミキサー卓の位置をオペレーターが決めます。ミキサー卓は客席に置くのですが、どこに置くかは小屋によってほぼ決まっています。客席が取り外せる、折りたためる、あるいはそのままと色々あります。その日はそのままで位置だけ決まっていたのだと思います。
卓をセットしてマルチケーブル(直径4センチ程度で30メートルぐらい)をステージから卓へ這わし、マイクやパワーアンプへの音声信号一切を伝えます。順調にセッティングが進み、マイクチェック、サウンドチェック、これで大体完了。マイクケーブルの始末などしてから舞台大道具のセッティングに入ります。

開演1時間前ぐらいで、客入れが始まります。この時緞帳を閉めますので、照明、音響の仕込み全てが終わっていなければなりません。

客入れが始まって30分、私達はミキサー卓の席で打ち合わせをしていました。そうしたら、年配の紳士がやってきてチケットを見ながら、この席だ、と言います。なんとミキサー卓の席を指差します。この席は音響で使っていますので他の席をお使いください、と説明しても、この席がいいんだ。

急いで主催側の担当者を呼んできてしばらくお客さんと話していました。私達はこちらの問題ではないので打ち合わせを続けています。お客さんと話が着き担当者が意外にも、機材を移動できないか。開演30分前で絶対に無理と説明するんですが、開演時間を変更してでもやってくれ、と引きません。まぁ一番偉いのは主催者ですから、そこまで言われればイヤとは。

結局、マルチケーブルを抜いて、卓を移動し、再びケーブルの繋ぎ込み、マイクチェックもそこそこに。会場のお客さんは何が始まったかと興味津々。結局30分押しで開演、幸いトラブルもなくステージが終わり、すぐに主催者が飛んで来て、客席にミキサー卓を置くことを知らずチケットを販売してしまった、今回はたいへん勉強になった、たいへん勉強になったと何遍も繰り返しました。

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