2014年9月24日水曜日

スターゲイト!

また昔話です。

どこの小屋か忘れました。件の演歌歌手九州ツアーでの出来事。

実際、本番が始まるとあまりすることがありません。ワイヤレスマイクを使うようになってからは、マイクコードの介錯をする必要もなく、緞帳の上げ下げぐらいの仕事しかありません。

その日も本番が始まり、ぼやっとステージを見ていました。そうしたら、インカムで「色を持って来い」という連絡が入りました。色というのはライトに入れるフィルターのことで、歌謡ショーで本番中に色といったらピンに入れるんだなとピンときました。えーと。

それで調光室はどこから行くのかなと袖幕から覗いたら、調光室の隣にドアが見えたんですねぇ。ステージ係りの私は舞台から離れることはほとんどなく、初めて行った小屋などは他の部屋へ行き方も知らないのです。

色の束を持って客席をトントンと登り、例のドアを開け中に入りました。「ん?」するとそこは室内ではなく外だったのです。アレっと思う私を後目に、ドアがガチャンと締まりました。

ここまではよくある話ですね。

なんだ引き返そうとドアノブを回しました。グルグル回ります。いくら回してもただグルグル回るだけ。
なんと非常用ドアで閉め出されてしまったのです。ここでハッと気づいたのは、ショーの本番中ということ。緞帳操作、ヤバいよー。

外は真っ暗、星空が見えます。屋上のようなところで降りようにも階段がどこにあるのかさえ分かりません。とにかく降りられそうなところを探してあっちこっち。なにかしら声が聞こえたので、その方向に向かうと小さな階段があり、やっとの思いで降りることができました。

階段を降りるとすぐお客さんの入場口があって、興行の若い衆の顔が見えたので、何事もなく平静を装って「お疲れ様でーす」と言いながらモギリをすり抜けステージに戻りました。ステージにいるはずの私を見て、若い衆のキョトンとした顔が印象深い出来事でした。

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